「山塩とは」海の塩じゃないから、何かがちがいます。

宝の山:磐梯山のふもとにある大塩裏磐梯温泉は、「グリーンタフ」と呼ばれる地層に閉じ込められた太古の海水が、高温の地下水に溶け出して源泉になったものです。長い年月で、その海水成分は変質を余儀なくされ、はからずも海水に比べ塩素イオンが少なく硫酸イオンが多い、特殊な泉質になりました。この温泉水を煮詰めて「山塩」を作るわけですが、当然海水をじかに結晶化する「海塩」とは、風味がまったく違うものになりました。

山塩と海塩の主成分比較

会津山塩海塩
原材料温泉水海水(日本)
製造方法薪窯による煮詰め濃縮して煮詰め
塩化ナトリウム77.76%90.05%
カルシウム2.19%0.29%
マグネシウム0.43%0.29%
カリウム0.42%0.08%

大塩の温泉水と海水、1リットル中の塩分比較

会津山塩海塩
食塩 16.5g 食塩 23g
 

「開湯伝説」

▲移築された井戸と解説板

弘法大師が岩を割る。

弘仁年間(810~824)のこと、この地を訪れた弘法大師(空海)が老婆の家に泊まりました。山深い里で、塩がないため難儀している様子をあわれんだ大師は、護摩を焚き何事かを一心に願い込むのでした。すると17日目、ついに岩が割れ塩泉が湧き出しました。――新編会津風土記より――

村ではやがて塩作りが盛んになり、江戸時代には会津藩に納め、明治期に は皇室にも献上された記録が残っています。

大塩裏磐梯温泉の泉質は、ナトリウムー塩化物強食塩泉です。

源泉▲

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